「Functional(ファンクショナル)」は直訳すると「機能的」という意味で、ファンクショナルトレーニングは、もともとケガや病気で本来の動作ができなくなってしまった方に運動機能を取り戻すことを目的に、理学療法士や作業療法士がリハビリテーションで活用していた運動指導法です。つまり、「機能的」というのは、その人がどういう動きを必要としていて、どういう動作ができるようになりたいのかという目的に合わせて、スムーズに動ける体をつくる=機能的に動けるようになるためのトレーニング方法と考えられています。
一般的な対比として、マシントレーニングは、それぞれの筋肉が効率的に鍛えられるように設計されたマシンを使うので、正しく使えば誰でも狙った筋肉を鍛えられると考えられています。一方、ファンクショナルトレーニングは、自分の体をコントロールし、動きをよくするためのトレーニングとして捉えられています。筋肉や関節などさまざまな部分が連動して動くので、目的とする動きの中でその人が持っている身体能力をより発揮できるようにするためのトレーニングと考えられています。
しかし、最近体の動きが鈍くなってきた、何もないところでつまずく、おなかが出てきた、ちょっと体重が増えてきたという人にお勧めできません。普段運動をしていない人は、身体に不要な癖があり、かなり偏った動作になっているので、自重を使う複雑なファンクショナルトレーニングは控えていただく方が良いです。その理由は、自重で行うので、筋力が偏っていたり、低下している人には、動作達成が優先されると関節や部分的なトコロに大きな負担がかかってしまいます。だから、パーソナルトレーニングで自重を使ったファンクショナルトレーニングと銘打った運動提案しているところで、調子を崩したり、関節を傷めるなどの良くない報告が増えています。
まずは、自分の身体の特徴をしっかりと確認して、働きの悪くなっている部分から取り組んでいただくことです。そして、どんな運動であろうと機能改善に繋がりますので、ファンクショナルトレーニングという言葉の流行に惑わされないでくださいね。
by 筋誤労
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