新型コロナウィルスが流行し、免疫という言葉を耳にすることが多くなっています。その免疫に関わるのが、骨髄や胸腺等の一次リンパ器官です。
胸腺は胸骨の裏側にあり、左右の両葉からなる一対の器官ですが、以前は、幻の臓器とも言われ、いくら調べてもその働きがわかりませんでした。 ここ20~30年の間に研究は進み 胸腺の働きが解明されました。その働きは、大人になるまで体を守ってくれる第一の免疫臓器になります。
生まれてくる「赤ちゃん」にとってこの世は、細菌、ウイルス、寄生虫など危険はいっぱいです。赤ちゃんは、お母さんから母乳により免疫抗体である「IgA」をもらっています。これが母子免疫となるのですがこの働きは、1~2ヶ月と経つうちにその力が弱まっていき、半年くらいでなくなってしまいます。その後に赤ちゃんを守ってくれるのが胸腺免疫(IgG)になります。骨髄の造血幹細胞の一部は胸腺に到達し、自己と非自己の教育を受けます。いわゆる免疫の教育学校みたいな所です。この過程で、大半(98%)のT細胞は死滅させられ、生き残るT細胞は残りの2%位となります。残ったT細胞は細胞表面にTCR(T細胞受容体)とMHC(ヒト白血球抗原)との結合を補強する接着剤的な役割を持つCD4、CD8等の細胞表面抗原が発現し、合格証が付与されから胸腺を去ります。そしてこれらの合格T細胞は免役システムとして重要な細胞性免疫の働きに就きます。
しかし、この教育学校である免疫臓器の「胸腺」は16歳ころに働きがピークを迎え、思春期を過ぎると脂肪が入り込んで退縮します。40歳頃には、4分の1くらいに萎んでいます。アトピー性皮膚炎は、子供の方が治りやすく、大人の方は、時間がかかる傾向があるのですが、大人になると、この胸腺の働きが落ちて、暴走している免疫をコントロールしにくいのではないかと推測する見方もあるようです。
By ルン
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