大豆を煮て、すりつぶしたものを漉したものが豆乳で、残りカスが“おから”です。日持ちがせず、多くが廃棄されてしまうのですが、栄養価が高いことはあまり知られていません。
おからに含まれている3つの成分
1. レシチン
レシチンは、大豆に含まれる不飽和脂肪酸。不飽和脂肪酸は、血管に付着したコレステロールを溶かし血流を良くしたり、固まるのを防いだりする働き(脂肪代謝機能)があり動脈硬化を予防すると期待されています。また、脳の情報伝達に関わる神経細胞の重要な材料となり、脳の老化や予防にも役立つのではないかと考えられています。
2. サポニン
大豆サポニンは、えぐ味の元となる成分で、血管内に付着した脂肪を掃除し、活性酸素の働きを抑制したり、腸を刺激し便通をよくするなどの働きから、生活習慣病や老化防止、さらには発ガン抑制、エイズ発症抑制の効果なども期待されています。
3. イソフラボン
イソフラボンはサポニンの仲間ですが、食物の中では大豆に最も多く含まれています。この物質が注目されているのは、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするからです。女性ホルモンの減少によって起こる更年期障害の諸症状に効果が期待されています。女性ホルモンはカルシウムが溶け出すのを抑制することから、骨粗鬆症や乳がん、前立腺がんの予防効果があげられます。
おからを食べるとエコ?
豆腐にするために使用される大豆の量の1.35倍のおからが出ます。というのは、水分が66~82%含まれるからです。おからの一部は食用として消費されますが、水分が多く輸送が困難なために、大部分は有料の産業廃棄物として廃棄・焼却処理され、大きな負担ともなっているのです。食品リサイクル法なども施行され、ゴミ処理の問題、地球温暖化などの地球環境問題からも、おからの有効活用は重要なテーマです。近年では、乾燥パウダーに加工して日持ちが向上され、飼料・肥料や機能性食品、化粧品としてリサイクルされています。
by chirune
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