健康診断の際に最も受ける機会が多い検査といえば、血圧測定です。高血圧を指摘され、塩分を控えて毎朝自宅で血圧を測っているという人も多いと思いますが、とくに高齢者の場合、血圧が高いからといって、すぐに良くないとは言えません。
高齢者は、ある程度血圧が高いのが普通です。硬いゴムホースで放水する際には、水道の蛇口を大きくひねる必要があるように、硬い血管で全身に血液を巡らすためには、勢いよく圧をかけて血液を送り出さねばなりません。つまり、高齢者の血圧が高いのは、必要に迫られての状態なのです。しかし、医療現場では血圧の数値を下げることばかり気にされているのが現実です。「高血圧が続いて動脈硬化が進むと、脳梗塞や心筋梗塞といった命にかかわる重篤な病気を引き起こす」と考えられているからです。しかし、降圧剤で血圧を下げすぎると血流が悪くなり、血栓を流し去る勢いがなくなって脳梗塞等のリスクが高くなるので、血圧を薬で下げたことで、かえって重大疾患のリスクが生じることが多くなります。
また、血液検査での、脂質異常症などの判定の基準値の設定がかなり独特なようです。コレステロールと中性脂肪については日本動脈硬化学会が日本独自の基準を決めていて、欧米の医療界から『日本の基準はおかしい』と批判されています。欧米では、LDL190mg/dl、中性脂肪1000mg/dlが基準ですが、日本の場合は、LDL140、中性脂肪150と異常なほど厳しく設定されています。ですから、日本の設定基準に合わせると脂質異常症の人は、すごく増えることになります。
コレステロールは、我々の身体の細胞やホルモンの材料になので、多少多くても問題なく、コレステロール値の高い方の方が長寿であることも報告されています。もし、血圧やコレステロール、血糖値が高いと治療や薬の服用を勧められたら、何が原因で高くなっているのかを確認していただく方が優先事項だと思います。
by 筋知良
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