スポーツにおいて「膝のケガ」というと前十字靱帯や内側側副靱帯、半月板の損傷が有名ですが、これらはトレーニングで受傷確率を大幅に下げることができます。 外傷なので、不意な転倒、ぶつかられたりした場合等は、受傷する事もありますが、身体のバランスが悪かったり、身体の偏った使い方が多くなっている場合、負担が集中しないようにすることで予防効果はかなり高くなります。
具体的にはポステリアルチェーンと言われる身体の背面の筋肉の強化が大切になってきます。 例えば、太腿の後ろについているハムストリングスは膝の剪断力(前方へのズレ)を防いでくれる役割があり、臀筋群は着地時等で膝にかかる衝撃を軽減してくれたり、大腿骨を適切なポジションにキープしてくれる役割があります。ここまでは想像しやすいかと思いますが、このポステリアルチェーンの筋肉群は、中々強化しにくいという点です。 日常生活では使う事がほとんど無くても済んでしまう事とトレーニングをしていない方の場合は、使い易い身体の前側(大腿四頭筋や大胸筋等)の方が発達している事が多いです。
大腿四頭筋は急に止まったりするブレーキの動作に対して作用する事が多いのですが、裏側の筋群に対して過剰に働き過ぎると膝への剪断力が増してしまうという負の側面があります。また、膝を中心として体重を支えたり動作の切り返しやストップ動作を続けているといわゆる「膝崩れ」といってガクッと抜ける感覚や痛みが出る場合があります。
アスリートの場合は、スクワットポジションと呼ばれる形での着地動作や膝に負担をかけない切り返しの練習も併せてトレーニングする必要がありますが、ハードなスポーツ等をしない一般の方の場合は筋力のバランスを整えてあげるだけでも十分効果があると思われます。
今回は臀筋や大腿裏側についてでしたが、他にも足関節の動きや上半身の働きも大切になってきます。膝の障害は受傷すると再受傷のリスクも高くなり易いので、積極的に予防に力を入れたいところですね。
by スクープ
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