「病は気から」という諺があるように、その逆もあるようです。ポジティブな思考が、花粉症などのアレルギー症状を改善させるという研究結果を山梨大の研究グループが発表し、欧州アレルギー学会誌「アレルギー」に掲載されました。「病は気から」の科学的根拠において、ネガティブ思考が体調不良につながるメカニズムは解明されつつありますが、ポジティブな思考が体に良いという結果に注目が集まっています。
花粉症や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などの新薬の臨床試験では、患者が偽薬が効いたと信じ込む「プラセボ効果」が他の疾患の薬より高く出ることが知られており、患者の気持ちがある程度影響するとみられていました。そこで研究グループは、マウスを使い、前向きな感情を脳内でつかさどるドーパミン報酬系と呼ばれる神経をさまざまな方法で活性化し、アレルギー反応の影響を解析した結果、いずれも通常より3割程度症状が軽くなったようです。「ポジティブな精神状態を生み出す特定の脳内ネットワークが、アレルギーを生じさせる免疫の仕組みと密接にリンクしていることを直接的に証明した世界で初めての知見」と捉えています。
「病は気から」の研究では、2014年に大阪大のグループがストレスが免疫力を低下させるメカニズムを交感神経の働きから証明し、2017年には北海道大のグループが、ストレスで起こる脳内の炎症が胃腸の病気や突然死につながる仕組みを解明しています。ストレスの反対である前向きな気持ちが、体に良いという考えは、健康本や自己啓発本やベストセラーになった「プラス思考で出る脳内ホルモンが心身の最良の薬だと主張する本」等がありましたが、学術的な研究での報告はありませんでした。今回の研究は「前向きな気持ちは、免疫の過剰な反応であるアレルギーを抑える一方、ウイルスへの正常な免疫の働きを高めると考えられるので、新型コロナウイルスなどへの抵抗力は上がるはずだ。」と話しており、更なる今後の研究に期待したいと思います。
by ボヤッキー
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