激しい運動で免疫が低下し、上気道感染症の感染リスクが高まるのは、激しい運動によって交感神経の働きが強まることと、運動で酸素を多く取り込むことによって体内で生じる活性酸素が影響して免疫細胞の機能低下を招いたり、そのDNAを損傷したりすることも原因の一つと考えられます。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は体を活発に動かすときに働き、副交感神経は体を休めるときに働きます。交互にバランスをとりながら体の機能を調節しますが、激しい運動は交感神経を過剰に働かせて免疫バランスを崩し、粘膜のバリア機能を支えるSIgA(分泌型免疫グロブリン)の分泌も低下し、上気道感染症のリスクを高めてしまいます。
最近、アスリート指導の現場では、唾液中のSIgAを測定し、これを目安としながら運動の持続時間を調整したり、本番前に免疫機能を回復する手法を試行錯誤したりしていることが多くなっています。また、高強度の運動以外にも、免疫機能を低下させる要因は、低酸素環境でのトレーニング、飛行機移動時の気圧の低さ、湿度の低さによる粘膜の乾燥が進むこと、時差の影響で体内時計がずれることによる免疫系への影響が出ることも考えられるようです。
更に、アスリートが行う減量では、食事や水分摂取の制限、発汗による脱水を行いますが、食事制限によって必要な栄養素が不足すると免疫細胞が正常に機能しなくなります。脱水も免疫機能の低下を招きます。2週間の減量を行ったところ、病原体に感染した細胞を殺すT細胞の機能が低下、1週間の減量では、唾液SIgA分泌速度の低下が確認されています。無理な減量も免疫機能を低下させることに繋がりますので、バランス良く食べ、適度な運動と質の高い睡眠を心掛けたいものですね。
by 筋治良
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