少し以前のブログでも取り上げた「呼吸」のことですが、いわゆる「息を吸う」「息を吐く」という一般的に「呼吸」という呼ばれる行為は、肺が行っている訳ではありません。肺が行っているのは、外から入ってきた空気を身体の中で、酸素を赤血球に受け渡し、二酸化炭素を受け取っている仲介業者みたいなもので、身体の内外への出し入れする働きはありません。ご存知の方も多いと思いますが、息を吸ったり、吐いたりする行為には、筋肉が担っています。主にお腹の中にある横隔膜や、肋骨の周辺に付いている、肋間筋が働いています。これらの筋肉が収縮することで、胸郭が拡がりその陰圧によって、肺に空気を取り込みます。そして、今度は収縮した筋肉が弛緩することで、持ち上がった肋骨が重力の影響で下がり、胸郭が小さくなり、それに呼応するように肺も縮こまるので、勝手に息が吐かれるような状態になります。
普段、安静時には、これを無意識で繰り返して呼吸をしていますが、運動中には、エネルギー消費が大きいために強制的な大きな呼吸が必要になってきます。吸気や強制呼気を行うようになります。運動をしている状態というのは、エネルギー消費が大きくなるだけでなく、二酸化炭素の産生も多くなるために換気量を増やす必要があります。そうなってくると、安静時の呼吸の仕方では、間に合わなくなるので、横隔膜や肋間筋以外の呼吸筋と呼ばれる筋肉(僧帽筋、広背筋、内肋間筋、腹直筋etc…)が動員されて、呼吸活動を活発にします。激しい運動をすると、いわゆる「肩で息をする」状態になりますが、正にそれです。
当方で運動療法(BTP)に取り組んでおられる方の中には、BTPを始めた当初は、「呼吸がしにくい」と訴える方が多いです。先述しました呼吸筋は頚肩部にも存在しており、張りや凝りがあるとなかなか上手く働いてくれないからです。ところが、BTPに取り組んで4回目以降から、息苦しさを訴えなくなります。特に、上半身の種目に取り掛かり出した辺りから、呼吸が整ってきて「運動をしているのに、呼吸がさっきより楽になってる」と不思議そうに尋ねてきます。適切に身体を動かすことで、呼吸に必要な筋肉の張り、凝りが軽減し、呼吸にがスムーズにできるようになっているからなのです。
by chirune
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