先人は食について多くの経験から色々な知恵を持っていました。「腹八分に病なし、腹十二分に医者足らず」という諺がある通り、経験的に適度な食事が健康に良いと考えていました。また、エジプトのピラミッドの碑文には「人は食べる量の四分の一で生きている。残りの四分の三は医者が食っている」という言葉が残っていて、中国にも同様の内容で言い伝えられているようです。
生活習慣病の高脂血症、高血糖、高コレステロール、高尿酸血症、高血圧などは全て「食べすぎ病」と言っても過言ではないと思います。癌研究の専門家によると癌も「過食病」に分類されると言っている方もおられるくらいです。癌細胞を研究しているグループの実験した結果によると「毎日十分な栄養を与えて太らせたラット」と「2日おきにしか餌を与えなかった痩せたラット」にそれぞれに一定量の放射線を浴びせた時の発癌は太ったラットのほうが10倍以上の割合であったと報告しています。
今よりずっと貧しい食生活をしていた時代から「食べ過ぎ」が身体を蝕むことは分かっていたようです。「病気にならない生き方」の著者で医師の新谷弘美氏は、1口に対して100回の咀嚼を推奨しています。確かに、現代人は噛む回数が少なく色々な疾患を招いているのも事実です。また、噛む回数が少ないことも過食につながってもいますので、少ない食事を良く噛んでいただくことが病気を防ぐことに繋がると思います。栄養の視点からは、色々な栄養を摂ることを推奨していますが、どんな食べ方をするかが我々の身体には重要なようです。たくさん噛むことで、少ない栄養源でも唾液が作用し、身体の中で必要な栄養素を補充することもできるようです。
あまり景気の良くない話題が多くなっていると思いますが、健康を損なうとさらに憂鬱な状態を大きくしてしまいます。元気でいることがこの状況に打ち勝つのに重要なことです。適度な食事を良く噛んで、そして適度な運動で元気を獲得し、良くない状況を吹き飛ばしてくださいね。
by ボヤッキー
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