手根管症候群とは、手のひらの付け根に「手根管」というトンネル状の空間があり、その空間の中を指や手首を曲げるはたらきを司る「正中神経」と、指を曲げる(屈曲させる)役割を担う筋肉の腱（屈筋腱）等が通っていますが、手根管内の正中神経が圧迫を受けることにより、正中神経の支配領域である親指・人差し指・中指・薬指の親指側半分に症状が出るモノを言います。主な症状は、手指のしびれや痛み、感覚が鈍くなってきて、進行すると、母指球筋（親指の付け根の筋肉）の筋力低下が生じ、物をつまむ動作が難しくなってきたりします。
　正中神経が圧迫される原因には、無理な姿勢や良くない角度で、手首の曲げ伸ばしを繰り返し、手首に負担のかかるような動作をすることで、手根管の中を通る腱を覆う膜などが炎症を起こし腫れることがあります。また、手首の運動とは関係なく手根管が狭くなり、手根管症候群を発症することがあります。例えば、更年期や妊娠・出産期の女性に多くみられる原因として、ホルモンバランスの変化によって浮腫みが生じ、手根管が腫脹し正中神経を圧迫することや透析（人工的に血液の浄化を行うこと）を長期間受けている人は、体内にアミロイドと呼ばれる物質が蓄積します。このアミロイドが手根管に沈着すると正中神経が圧迫され、手根管症候群を発症することがあります。
　更年期や妊娠・出産期の女性に多くみられる手の病気の1つと言われているので、浮腫みを感じる際には、塩分を控え、水分を摂取し、浮腫み改善も視野に入れると良いと思います。また、過度な負担になっている場合、身体の使い方を変えるためにも、今使いづらくなっている部分を中心的に動かす事が大切になります。運動をすることで、筋肉の働きの一つである、循環促進作用も得られ、浮腫みの改善にも繋がることと思います。
すぐに手術を提案される医療関係者もいらっしゃいますが、何が原因になっているかを見極めて、手術をしない方法を探してみてはいかがでしょうか。
by　コオロギ

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