熱中症の予防のために「水分を摂ること」が、盛んに言われています。しかし、無害と思える水の飲み過ぎで、体調を崩すこともあります。例えば、ダイエットのために、1日に約3Lの水分補給で脳にダメージが生じ、後遺症が残ってしまった方や、マラソン大会後の水分補給が原因で死亡者が出るといった事例も報告されています。そして、一般的に「水=無害な飲み物」であり、飲み過ぎで身体に害が及ぶなどとは全く認識はありません。
過剰の水分摂取によって身体は、正常な生理バランス崩れることで起こります。具体的には、低ナトリウム血症やけいれんを生じ、重症では死に至ります。人間の腎臓が持つ最大の利尿速度は毎分16mlであるため、これを超える速度で水分を摂取すると体内の水分過剰で細胞が膨化し、低ナトリウム血症を引き起こす水中毒に陥り、次のような症状を伴います。
• 軽度…軽い疲労感
• 中度…頭痛、精神症状、嘔吐
• 重度…錯乱、けいれん、てんかん 最悪の場合は呼吸困難となり死に至る
これらの症状が起こるのは、筋肉や神経伝達を正常に動かすのに欠かせないナトリウムが欠乏するためです。そして、細胞内の水分とナトリウムのバランスが崩れて細胞が浮腫むので、重度になれば脳細胞がむくむ「脳浮腫」に至ることになります。そして、呼吸や心臓の動きを司る部分がダメージを受け、生命活動も危ぶまれる状態になります。
つまり、水にも致死量があり、成人男性で1日に約10L、約5Lでも飲むスピードが短時間の場合は、危険です。水分摂取で起こる体調の変化は、水の飲み方や体調で個人差があります。たくさん飲むときは、塩分も一緒にと言われますが、これも正しいとは言えません。塩分濃度が高いと脱水になったり、これも体調を崩す原因になります。適切な水分摂取は、まめに少しづつ(100㏄/30分間)摂るように心掛けていただくことです。1日に「2L飲まないといけない」と聞くことがありますが、生活条件や身体の大きさによっても変わりますので、鵜呑みにしないでください。。水分補給という言葉を耳にする機会が多いと思いますが、自分の身体や生活習慣に合った量の水分を補給するように注意してくださいね。
by グランブラー
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