厚生労働省の調査によると、日本人の約4割の睡眠時間は6時間未満と確認されています。そして、5人に1人は「睡眠の質に満足できていない」と感じているそうです。日本人、特に子供たちや就労者の睡眠時間は、世界で最も短いと言われています。更に女性は、家事や育児の負担が大きいため男性よりもさらに睡眠時間が短く、平日・週末を問わず慢性的な寝不足状態にあると言えます。
質の悪い睡眠は、生活習慣病や感染病の罹患リスクを高め、かつ症状を悪化させることが分かっています。慢性的な睡眠不足は、日中の眠気や意欲低下・記憶力減退など精神機能の低下を引き起こすだではなく、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。健康な人でも一日8時間眠った日と比較して、寝不足(5時間睡眠)をたった二日間続けただけで食欲を抑えるホルモンであるレプチンの分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進する為、食欲が増大することが分かっています。ごくわずかの寝不足によって私たちの食行動までも影響を受けるのです。
そして、アメリカの大学の研究によると「6時間睡眠を2週間続けると、集中力や注意力は2日間徹夜した状態とほぼ同じレベルまで衰える」との研究結果が出ています。しかもタチの悪い事に徹夜をした場合は、わかるので対処がしやすいですが、上記の状態の場合は自覚する事が困難と言われています。ちなみに、徹夜した人の脳の働きは、酎ハイを7~8杯飲んで酔った状態だといわれていて、2日間の徹夜となると、それ以上の酩酊状態です。つまり、6時間睡眠が2週間続けている人は、毎日、酔っぱらった状態のような脳で、しかもそれに気づくことなく仕事や勉強、社会的な活動などをこなしているわけです。仕事の質は勿論の事、風邪をひきやすい方や体重が落ちないとお困りの方は、もしかすると睡眠に問題があるのかもしれませんね。
by スクープ
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