睡眠負債は、自覚がないまま債務がかさむため、改善のためには、「自分が良質な睡眠を取れているかどうか」を判断する必要があります。参考になるのは、スタンフォード大学が行った研究をまとめた「良質な睡眠」の報告書によるサインは次のようなものです。
・眠りに落ちるまでの時間が30分以内
・夜中に起きるのは1回まで
・夜中に目が覚めた場合は20分以内に再び眠ることができる
・総睡眠時間の85%以上を寝床で使っている(昼寝や通勤電車内での居眠りなどの合計が15%を超えない)
この4つをすべて満たすことが「良い睡眠」の最低条件で、ひとつでも当てはまらないポイントがあれば、睡眠負債の可能性は高くなると言われています。
そして、「睡眠を改善するアイテムは何か?」という疑問についての調査では、「耳せん」「アイマスク」「マッサージ」「アロマテラピー」「リラックス音楽」のなかで効果が認められたのは、「耳せん」と「アイマスク」だけでした。それ以外の方法については、はっきりしたデータが出ていないようです。
耳せんとアイマスクを同時に使うと、睡眠中のストレスホルモンが下がり、逆にメラトニンの量が増えていきます。アロマやマッサージのリラックス効果を否定するわけではないものの、現時点ではこの2つを使うのが良いようです。
また、睡眠負債は知らぬ間に積み上がっていくため、返済もそれに合わせて行うのが重要で、「昼寝」が大きな効果を発揮するようです。
空軍パイロットを対象にしたNASAの研究では、1回30分の昼寝でパフォーマンスが約30%改善し、注意力は100%の完全回復を見せるなど、睡眠負債のダメージを防ぐ効果が広く確認されています。
いまでは、グーグル等の名だたる企業も昼寝を奨励しており、グーグルなどは「エナジーポッド」という専用の睡眠マシンまで導入しているほどです。また、昼寝のリフレッシュ効果を高める方法として、「コーヒーナップ」という15~20分の昼寝の直前に1杯のコーヒーを飲むテクニックも生み出されています。
By グランブラー
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