お酒が好きな人の多くは、運動後の一杯のビールを楽しみにしているかもしれませんが、筋トレ後に飲酒すると、せっかくの筋トレの効果に悪影響があるという研究があります。健康科学の専門家は「筋トレ後にアルコールを飲むと、筋肉の合成に悪影響を及ぼすという研究結果があります。ちなみに筋トレ前に飲んでも、血中のアルコール濃度は急激には下がらないので、結果はあまり変わらないです」と解説します。
筋トレを行うと、筋肉を合成する生理作用が高まります。その際、筋肉の合成を高めるスイッチとなるmTOR(エムトール)という酵素が細胞内で働き、たんぱく質の合成が活性化されます。mTORを作用させるには、筋トレ以外に、たんぱく質を摂取して血中のアミノ酸の濃度が高まることが有効といわれています。ところが、筋トレ後にアルコールを飲んでしまうと、このmTORの作用が抑制され、筋肉の合成率が3割程度も減るという研究結果が出ています。
オーストラリアのRMIT大学で、8人の運動習慣のある健常者(平均年齢21.4歳)を対象にした研究では、トレーニング後に、(1)プロテインのみ摂取、(2)アルコール+プロテインを摂取、(3)アルコール+糖質を摂取という3つのパターンを比較しました。その結果、(2)のアルコール+プロテインのパターンでは、プロテインのみ摂取した場合より、筋肉の合成が24%減少し、(3)のアルコール+糖質のパターンでは37%減少することが分かりました。筋トレ後のアルコールの影響は、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌が抑制されるので、男性のほうが筋肉の合成の落ち込みが大きいと考えられています。
筋トレから時間(1時間以上)を開ければ、ビール(350mL)1~2缶くらいであれば影響が少ないようなので、夜にお酒を飲むのであれば、筋トレは朝、昼に行うなど間隔を空けるようにすると良いようです。お酒の種類はあまり関係なく、トータルのアルコールの量が問題になるので、血中のアルコール濃度が急に上がらないようにするのがポイントです。
by 筋知良
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