皆さんは「魔女の一撃」という言葉をご存知ですか。「魔女の一撃」とは欧米で使われる言葉で、日本でいう「ぎっくり腰」の事です。全国で約3000万人以上で、人口の1/4にも及ぶこの人数は全国で腰痛に悩む人の数です。「持病の腰痛が」と言われるほどに、腰痛を訴える方、ぎっくり腰を過去に経験したことのある方は本当に多いです。「重い物を持ち上げた時」「少しお辞儀をしただけ」「ただ立ち上がろうとしただけ」など、 ぎっくり腰が起こる状況は多岐に渡ります。
たくさんの研究がありますが「ぎっくり腰になった時に安静にしていたグループと、できるだけ普段通りの生活をしていたグループを比べると、痛いながらも普段通りの生活を心がけたグループの方が良くなることが多かった」ということが分かっています。イギリスの医学誌に掲載された研究に、ぎっくり腰をした患者さんを、①「ベッドでの安静」 ②「治療家による施術を受ける」 ③「できる限り通常の日常生活を過ごす」という3グループに分けて経過を追ったものがあります。結果は③の「できる限り通常の日常生活を過ごす」よう心掛けたグループが最も回復が早く、①の「ベッドでの安静」を行ったグループが最も回復が遅かったという結果となりました。他の研究を見ても、安静にしていることは症状を長引かせることがほとんどのようです。
実際当方を利用して下さっている方には、ぎっくり腰になった時でもできる範囲で運動をしてもらうように取り組んでいます。過去にぎっくり腰を経験したことのある方がほとんどで、辛い腰の重さを訴えて来院される方が多いですが、普段から体を動かし身体の使い方が変わることで、身体の筋バランスが整い、今ではすっかり腰痛を訴えない方も多く居られます。
安静にしすぎてしまうとかえって身体に悪いという常識が広まってきているようですね。
by コオロギ
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