イライラしたり怒りっぽいのは、カルシウム不足のせいだと聞いたことがあると思います。本当にカルシウム不足でイライラするのでしょうか?カルシウムには、心拍を規則正しく保つ、筋肉の収縮などに必要であるといった大事な働きがあり、神経伝達に関与していることは間違いありません。そのため、カルシウム不足が原因で、イライラなどの不調が起こるという誤解が生まれたのかもしれません。
カルシウムは骨などの成分でもあり、直接代謝に利用しないカルシウムが体内には存在しています。もし、代謝に使うカルシウムが不足してしまった場合は、骨から補充されるので、血液中のカルシウム量は常にほぼ一定に保たれています。カルシウム不足でイライラしたり怒りっぽくなるということは、考えにくいでしょう。
では、なぜこのような噂が一般化してしまったのか。これはカルシウム摂取量が不足している人が非常に多く、多くの人にカルシウム不足が当てはまるからではないかと思います。例えば、令和元年度のカルシウム摂取量をみると、20歳以上の男性503mg、女性494mgです。これに対して食事摂取基準では、18~29歳の男性は650mg、30歳以上の男性は600mg、15~74歳の女性で550mg、74歳以上の女性で500mgが推定平均必要量と定められています。つまり、年齢差はあるものの、多くの人が50~150mgのカルシウム不足の状態にあるのです。不足している50~150mgのカルシウムを補う手段として、手軽なのは、1日コップ1杯の牛乳を飲むことですが、乳製品が苦手な場合には、小魚、海藻、大豆および大豆製品、緑黄色野菜など意識的に摂取すると良いと思います。
ただしカルシウムを摂ったからといって、骨を強くしてくれる訳ではありません。骨にある程度の刺激や負荷が掛からないと、カルシウムは骨に沈着してくれません。カルシウム摂取と合わせて適度な筋肉運動をすることは必要不可欠です。
by chirune
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