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ギランバレー症候群

 ギランバレー症候群とは、末梢神経(脳や脊髄から枝分かれして手足に分布する神経)の障害によって、急に両側の手足に力が入らなくなる病気です。私たちの神経には、脳や脊髄といった“中枢神経”とそこから分岐して全身に分布していく“末梢神経”があります。末梢神経はさらに、運動に関わる運動神経・感覚に関わる感覚神経・身体の機能を調節する自律神経に分類されますが、ギラン・バレー症候群ではこれらの神経に異常が生じることによって発症すると考えられています。
 末梢神経に異常が生じる原因は、ウイルスや細菌による感染をきっかけに起こる免疫反応が自身の末梢神経を攻撃することによるものと考えられています。また、そのほかにも、インフルエンザ、新型コロナウィルス感染症などのワクチンで発症するケースも報告されています。この病気は、特別な治療を行わなくても自然に症状が軽快していくケースが多い一方、重症化するケースもあるため発症した場合はできるだけ早い段階で治療を開始することが望ましいとされています。
 咳や下痢の2週間後より、急に、両側の手足の先端からビリビリするしびれ感と、力の入り難さが現れて、数時間から数日のうちにどんどん進行して、物を持ったり歩いたりし難くなります。症状の程度は人によって様々で、少し歩きにくい程度の方からほとんど手足が動かせなくなる方までいます。他にも顔面の麻痺や、物が2重に見える、ろれつが回らない、食事が飲み込み難いなどの症状がみられたり、呼吸のための筋肉も弱くなって呼吸困難となる場合があります。多くの方は2週間以内には進行が止まり、その後はゆっくりと快方に向かって、6~12ヵ月後にはほぼ回復します。
 ギランバレー症候群の発症初期の治療には、入院が必要で、免疫グロブリン療法(血液中のグロブリンという成分を点滴する治療法)や血漿交換療法(血液の成分の一部を入れ替える治療法)を行います。その後、筋力の回復の状態に合わせて適切なリハビリテーションを行うことが大切になってきます。
by 破易怒
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