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グロインペイン症候群

 グロインペイン:groin pain症候群(鼠径部痛症候群)は、多くの運動をする人達に発生していて、長らく原因がはっきりしない傷害という認識がありました。ちょうど10年前に世界アスリートの鼠径部痛に関するDoha agreement meetingが開催されて各国の専門家が参加し、用語と定義を決定された傷害です。
 クラブチームに所属するサッカー選手の鼠径部の怪我は、すべての怪我の約15%で、男性(12.8%)の鼠径部損傷の割合が女性(6.9%)よりも高いことが確認されています。鼠径部の負傷率が高いスポーツは、サッカーやラグビーなどの走動作が多い競技で、特にサッカーでは、より多くのキックを伴うプレーヤーのポジションの発生率が高くなっています。
 発症原因は、足関節捻挫等の外傷後や体幹から股関節にかけてスポーツによる使い過ぎなどによって筋力低下や柔軟性低下、拘縮が起こり、それが鼠径部周辺の痛みとなっていることが多く、日常生活には痛みが生じず運動時に鼠径部や太ももの内側、下腹部に痛みが生じます。しかし、慢性化すると鼠径部に安静時でも痛みが出てきて、下肢の伸展や外転する動作で誘発されやすく、股関節周囲の可動域制限や筋力低下が見られるようになります。
 改善するには、股関節や体幹の可動性、安定性、協調性の問題点を確認して、改善するために運動療法やセルフケアに取り組んでいきます。運動療法を行う場合は、痛みの出ない範囲内で、抵抗に対して慎重に等尺性収縮で状態を確認しながら行い、筋力トレーニングを開始する際には、痛みのない範囲で可動域動作を確認し、運動後に痛みが起こらないように取り組む必要があります。
 柔軟性が低下している筋に対する柔軟性の向上、体幹や下肢の筋力低下に対す筋力トレーニング、股関節だけに負担が集中しないようにするための、上肢から体幹、下肢の協調性改善運動、個々の競技に合った動作トレーニングに移行していっても良いと思います。最終的には、スポーツ活動に復帰していきますが、損傷の度合い、期間よっては3~6ヶ月かかることもあります。
by 筋誤労
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