スウェーデンが、都市封鎖しないで日常を保ったままの取り組みで、新型コロナウィルス感染症の対策に成功した第1の理由は、過半数に届かない与党“社会民主労働党”と協力する党が連立し、野党などの閣外協力をあおぐという政権の事情にあります。法案の成立には、多数の支持が必要だからこそ、新型コロナ対策では、幅広い政治的コンセンサスを得た形になりました。
第2に国民は、保健当局など政府を信頼しており、そのためロックダウンを強制しなくとも、ソーシャルディスタンス(社会的距離)の指針におおむね従っていました。
第3にスウェーデンは、子供のいない単身世帯が国全体の56%と、欧州連合(EU)加盟国でずばぬけて高いので、同居者間で感染が起きる不安が、イタリアなどの世代間同居が一般的な国と比べて低いことになります。
5月15日時点での新型コロナウィルス感染症の死者数、感染者数は、米国、英国、イタリア、フランス、スペインなどロックダウンを徹底的に実施した国より大幅に少ないのは、こうしたことで説明できます。ただ、経済的な犠牲を小さくした代償として、他の北欧諸国やドイツよりは新型コロナ死者全体数は多いですが、少なくとも経済面では、第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期に比べてマイナス0.3%と、ユーロ圏経済の落ち込みの10分の1に満たないのは成功したと言えそうです。
しかし、他国がスウェーデン流のコロナ対応をまねても同じような結果にならないかもしれないのは、スウェーデンは充実した福祉制度があるので、労働者は自主隔離がし易く、金銭的な苦境に落ち込まないように保証されているということも大きいです。
日本も要請という他国と違う取り組みで成果を上げていると思います。だから、もう少し緩和した対応で良かったのではと思います。
by グランブラー
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