メニエール病とは、体の平衡感覚をつかさどる、内耳(ないじ)と呼ばれる部位に存在するリンパ液が、過剰にたまること(内リンパ水腫)で、めまい・吐き気・聞こえ難い・耳鳴りなどを伴う発作が繰り返し起こる耳の病気のことを言います。しかし、どのようなメカニズムでリンパ液が過剰に溜まるのかという根本的な原因は現在のところ不明とされています。その要因として、内耳構造の生まれつきの異常やアレルギー、免疫の異常、内耳への血流不足など、単独ではなくいくつかの要因が重なって発症するとも考えられています。また、メニエール病はストレスや疲れがたまったときに再発を繰り返しやすいため、自律神経のバランスの乱れも何らかの関係があるとの説もあります。めまいの持続時間が長くなると吐き気や嘔吐といった症状も現れますが、言葉のもつれや意識障害、運動の障害を伴うことはないようです。
メニエール病のめまいの特徴として、
・持続時間が長い(10分以上~数時間)
・誘因がなく突然起こる
・寝ていても座っていてもずっと回っている
発作の間隔は週に1回程度から年数回程度までとさまざまです。めまいや難聴が1回起きただけではメニエール病とは診断できず、「繰り返し起こる」という部分が診断基準になるようです。
治療法としては、薬物療法が一般的ですが、症状がひどい場合、観血療法として、内リンパ嚢開放術や前庭神経切断術、内耳破壊術などの手術を行うことになります。。しかし、手術をしても、根本的治療にはならず、いずれまたリンパ液が溜まるため、効果は永続的ではありません。しかし、めまいが頻発することで不安やストレスが増え、病気が悪化するという悪循環を防ぐことができるため、提案されることは多いです。このような手術も含め、治療方法を選択する上で、対症療法であるのか根治療法であるのかというのを理解しておくのはとても大切です。
メニエール病だけでなく、身体のトラブルで、痛み止め、解熱剤、降圧剤などを服用される方は多くいらっしゃいますが、根本の解決には繋がりません。薬を飲むほうが楽な作業であるため、つい頼りたくはなりますが、原因を確認し、人間本来の機能ももう少し信じてあげて欲しいと思います。
by コオロギ
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