モビリティとスタビリティは、あまり聞き馴染みのない言葉と思いますが、人の身体にとってはどちらもとても大切な能力です。これらは、可動性(モビリティ)と安定性(スタビリティ)と定義される事が多いです。 人間の身体には、大きく、多方向へ動かす事が得意な関節(例:股関節や肩関節)と限られた動きが得意な関節(例:腰や肘)があります。ただ、どちらとも「適度に」という事が大切になってきます。
例えば、例に挙げた股関節の場合、股関節のモビリティがないと近隣の膝関節に無理で過剰な負担が働いてしまう事になって、膝の障害に繋がり易くなります(それ以外にも足関節や骨盤等の他の部分にも影響します) 。モビリティが過剰な事も問題で、ルーズショルダーと言われる様な脱臼をしやすくなったり、緩過ぎる事により逆に関節の機能性が低下してしまう「ハイパーモビリティ」といった現象が起こります。
また、モビリティ関節とスタビリティ関節は交互に存在すると言われていますが、それぞれの役割を持って個別に働きながら、複数の関節を同時に協同して働かせることをジョイント・バイ・ジョイントと呼んでいます。要するに動き過ぎても、動かなさ過ぎても良くなく、相互の働きがスムーズでないと他の関節に悪影響が出てしまうことになり、 その結果身体に痛みが出たり可動域制限等の機能障害が起こります。
対策として、筋肉を積極的に動かす事です。 筋肉は関節を跨いで付着している事が多く、筋肉の働きが低い状態だと関節の動きを阻害してしまう事になります。筋肉は、正しく適切な負荷で動かすとスムーズな収縮と弛緩を繰り返します。また、筋肉を動かす事で筋温が上がって、筋肉の柔軟性も良くなり運動直後に可動域が向上する事が多いです。これを脳が認識して、徐々に可動域が向上していきます。その結果代償として負担のかかっていた他の関節も整うという事に繋がりますので、結果的に正しく筋トレすることで「身体が整う」という事になっていきますよ。
by スクープ
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