保湿剤として病院で処方されたり、薬局やドラッグストアで見かけたりするワセリン。「乾燥肌の対策にワセリンが良い」とよくいわれますが、直接肌に付けるものだからこそ、副作用はないのかが気になります。今回は、ワセリンの副作用の有無や使用上の注意点についてご紹介します。
ワセリンとは石油を精製した保湿剤で、色は精製度に応じて淡い黄色から白色をしています。保湿剤といっても、ワセリンそのものに保湿成分が含まれているわけではなく、肌の表面に油膜を張ることで皮膚の内側からの水分蒸発を防ぎ、肌の乾燥を阻止すると考えられています。入浴後や洗顔後など皮膚が湿っている時に、化粧水や乳液などで肌を保湿した後、仕上げにワセリンを塗ると、就寝中の肌の乾燥からしっかり守ってくれます。また、油膜には外部の刺激から皮膚を守る保護効果も期待できるので、オムツかぶれや靴擦れなど、摩擦によって引き起こされる肌のトラブルの予防にも重宝します。このほか、軽度の擦り傷や切り傷の処置にもワセリンが使えます。ワセリンで傷口を覆って保湿・保護することで、傷口の乾燥が防げます。それにより、細胞の再生を促進する成分を含む液の滲出を促すため、傷を早くきれいに治すことができると考えられています。
石油が原料だと聞くと、肌に良くない印象を受けるかもしれませんが、精製の段階で肌に刺激の強い不純物はほとんど取り除かれているため、赤ちゃんから大人まで、年齢を問わず安心して使用できるといわれています。ただし、ワセリンは製品によって精製度が異なり、アトピー性皮膚炎や敏感肌の人が精製度の低い製品を使用すると、かぶれやかゆみ、発疹などの接触性皮膚炎を引き起こすことがあるようです。赤ちゃんや敏感肌の人に使う時は、白色ワセリンの中でも精製度の高い製品を選ぶようにしましょう。万が一このような症状が現れた場合は、ただちに使用を中止し、医療機関を受診するか、薬剤師に相談してください。
By ルン
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