コラム

COLUMN

不整脈

 不整脈と聞くと、脈拍に異常がある病気と思われがちですが、不整脈とは脈拍の異常ではなく、心臓のリズム(調律)の変調のことをいいます。「不整脈」を英語でarrhythmia(アリズミア)と言います。接頭語として先頭に「a」が付くと否定あるいは反対の状態を表し、接尾語の「ia」はその状態を示します。つまり日本語に読み替えれば、「否リズム状態」すなわち「(心臓の電気的興奮の)リズムが変化した状態」ということになります。このように考えると、「不整脈」というよりも「心調律変化」あるいは「心臓リズム変調」といったほうがより正確に病態を表します。
 しかし、医学の世界にこの概念が取り入れられたときから、わが国では「不整脈」という言葉がずっと使われており、心臓の電気的興奮のリズムが変調した状態にも拘わらず、病名と捉える方が多いのです。そして、この不整脈には、大きく分けて「脈が速くなる頻脈」、「脈が遅くなる徐脈」「脈がとぶように感じる期外収縮」の三つがあります。
 通常心臓は1分間約50~90の規則的なリズムで拍動を繰り返していますが、このリズムは右心房にある洞結節で作られます。ここで発生するごく微量の電気が心臓に備わっている「刺激伝導系」という経路をつたって心房から心室に伝達されて心臓の拍動を生じ、血液が送り出されます。この「刺激伝導系」はいわば天井裏を張っている電線のようなものだと考えればよく、その途中の心房と心室の間には房室結節と呼ばれる変電所のようなところがあって電気が心室に伝わるのを遅らせ、心房の収縮のあとわずかな時間差をおいて心室の収縮が起こるようになっています。
 健康成人で不整脈がまったくない人はいないといってもよいほど、不整脈は一般的なものです。不整脈がありながら自分ではまったく気づかず、身体検査ではじめて不整脈を指摘される人も多いです。不整脈を指摘されたとき、それがどんな不整脈なのか、そのまま放置しておいてよいものなのか、危険な不整脈に発展するものでないか、治療を要する不整脈なのか、などを確認していただくことは大切です。
by 知得溜
にほんブログ村 健康ブログへ
クリックお願いします。

コラム一覧へ

人気の投稿

最近の投稿

アーカイブ

CONTACT

お問い合わせ・ご予約はお気軽にどうぞ

お問い合わせフォーム

06-6645-5885

上部へスクロール