乳酸は、強い運動をした時に筋肉から血中に放出される物質で、100年前のノーベル生理学・医学賞を受賞者の発言からつい最近まで疲労物質だと考えられていました。以来、いかに乳酸を出さないようにするかが、アスリートの課題となっていました。ところが、今や正反対のエビデンスが次々と積み上がっていて、サッカーやラグビーの選手の乳酸濃度は、試合の後半になるにつれどんどん低くなっていくことから、乳酸によって筋肉が疲労するのではなく、むしろ乳酸が少なくなったから疲労すると考えられるようになりました。
乳酸は運動時に筋肉から出る機能的な物質の一つで、乳酸が身体に与えるポジティブな影響が解明されています。乳酸が、運動中の筋肉や脳のエネルギー源となり、持久性競技力の向上や状況判断能力の維持にも関わっていること、運動によって体内のブドウ糖が減ってくると、脳のエネルギー源も減るのですが、代わりに乳酸が脳神経細胞(ニューロン)のエネルギー源となってくれることが確認されています。だから、後半のサッカーの試合中に、パスすべきかシュートすべきかといった状況判断能力が正常に維持できているとしたら、それは乳酸のおかげなのかもしれません。
「運動は真の万能薬」と言われるのは、運動をする時に筋肉から出てくる乳酸などの物質は、すべての人の健康増進につながるからです。アスリートに限らず、一般の人も、健康のために乳酸をうまく利用してほしいと思います。乳酸を出すためには強度の高い運動が必要で、軽い運動を長くするよりも、短時間でも休憩をはさみながら強度の高い運動を行うことが、乳酸の量を増やし、認知機能を高めることがわかっています。
疾患のある方や高齢者の身体機能や認知機能の維持のためにも、乳酸の持つ機能を役立てていただきたいと考えています。当方のBTPは、取り組み易く、かつ強度の高い運動を提供しております。高齢者はどうしても筋肉が衰えていきますので、それを食い止める方策として、長時間の歩行運動より身体に無理のかからない強度の高い運動が必要です。当方のBTPは、それを可能にしていることで、91歳で毎週のゴルフ、86歳でテニスが、可能になっています。
by グランブラー
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