ほとんどの人が、中年期に差し掛かるまで、高血圧や脂質異常症などの生活習慣での病気や異常、心臓や脳の健康リスクについて意識しません。しかし、より早期から健康リスクに目を向けるべきであることを、数々の研究結果が証明しています。
トゥルク大学(フィンランド)の研究チームは、3,596人の子ども(3~18歳)を31年間にわたって追跡し、34~49歳に成長した2,026人に対して認知機能テストを施行した結果は、人生の早い段階で体重、コレステロール、血圧を管理することが、成人期の認知機能低下を抑制する効果が高いということでした。具体的には、子どもの頃に血圧とコレステロール値が高かった人は、子どもの頃にそれらが良好だった人と比較して、記憶力と学習能力が低いと判定されました。子どもの頃から中年期までずっと肥満であった人は、歳をとるにつれて情報を処理したり注意力を維持することが難しくなっています。子どもの時点で、体重、コレステロール、血圧の3つの心血管リスク因子を全て有していた人は、40代に達するまでに、脳の健康に関する指標の全てが低下しています。
心臓の健康と脳の健康との関連は、多くの研究により証明されていて、良好な血流を保つことで、心臓と脳、双方の臓器が適切に機能し続けます。反対に高血圧や高コレステロール血症などの血管にダメージを与える状態は、心臓と脳の双方を危険にさらし、心臓発作、脳卒中、認知症を引き起こす可能性が高くなります。ここ数十年の間に小児肥満が増加し、また、心臓の健康状態の悪化は早くも小児期に始まるという報告が増えています。公衆衛生の専門家は、「成人後の健康障害を防ぐ戦略上のターゲットを、人生の早い段階に設定すること」を重視しています。
米国の身体活動に関するガイドラインでは、子どもたちに対して、少なくとも毎日1時間の中程度から高強度の身体活動を行うことを推奨し、少なくとも週に3回は筋肉と骨の健康のための高強度運動を行い、座ってテレビを見たりスマートフォンを操作したりする時間(スクリーンタイム)を制限すべきであることもガイドラインに示しています。健康のために何かを始めようとする時、それが遅すぎるということは決してありませんので、今日から取り組んでみてください。
by 珍香鈴
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