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光の色と物体の色

 私たちの眼の網膜の奥には、光を感じることができる視細胞があります。視細胞には、暗い光にも反応するけれど色を識別できない“桿体細胞”と、明るい光にしか反応しないけれど色を識別できる“錐体細胞”があります。錐体には、赤錐体(L錐体)・緑錐体(M錐体)・青錐体(S錐体)とよばれる3種類の細胞があります。この3種類の錐体は、それぞれ約560 nm、約530 nm、約430 nmを中心にある程度の幅をもつ波長範囲の光を感じることができます。3種類の錐体細胞の刺激の度合いは、目に入ってくる光によって決まります。それぞれの錐体細胞が受けた刺激は、視神経を通って脳に送られます。脳は3種類の錐体細胞が受け取った刺激の割合から何色なのかを判断します。
 たとえば、人間の目には黄色い光に対応する錐体細胞がありませんが、私たちは黄色を見ることができます。黄色い光を受けると、赤と緑の錐体が刺激を受けます。すると、脳はその光が黄色であると判断します。黄色以外の中間色も同様にして色を判断します。
 一方、物体の色は太陽などの光源から物体に届いた光のうち、物体が吸収せずに反射した光の色になります。太陽光は、もともと白色光ではなく、たくさんの波長の光が混合されることで白色光になっています。光源が太陽の場合、赤いリンゴは太陽光のうち青緑系の波長の色の光を吸収し、太陽光から青緑系の光を欠いた光を反射します。その反射した光が私たちに赤く見えるのです。赤いリンゴに青緑系の光のみを当てると、反射する光がありませんからリンゴは黒っぽく見えます。つまり、色は光源が変われば見える色も変わります。私たちは普段何も気にすることなく「リンゴは赤色」と考えていますが、私たちが考えている物体の色は暗黙の了解で光源が昼間の太陽になっているのです。
By ルン
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