台風とは、北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/s(34ノット)以上のものを「台風」と呼びます。そして、熱帯低気圧は、熱帯または亜熱帯地方に発生する低気圧の総称です。気象情報等で「熱帯低気圧」を用いる場合は、台風に満たない物をさします。熱帯低気圧の特徴として、等圧線が同心円状に閉じており、低気圧が暖気のみで構成され、前線を伴わないことが挙げられます。
熱帯低気圧は熱帯であればどこでも発生するというわけではなく、発生しやすい場所が決まっています。まず、海面水温が約26.5℃以上の海水温の高い海域であること。(陸上では発生しません)赤道付近では、転向力が小さいため発生せず、北緯5°~25°付近で発生する事が多くなります。日本の南に位置する北太平洋西部は熱帯低気圧の発生数全体の36%を占め、世界でも最も発生しやすい場所となっています。
熱帯の海域は水蒸気が豊富で熱帯収束帯など空気が集まりやすい場所では、空気が収束して上昇気流が生まれ、積乱雲の群れができます。積乱雲のできる場所は水蒸気が水に変わる時に潜熱が放出され、雲のない所に比べて温度が高くなります。温度の高い空気は密度が小さいので上昇し気圧が低下、まわりから空気が収束します。収束する空気は多数の積乱雲をまとめ転向力が働いて、大きな渦上の流れが生まれます。渦上の流れにより収束がさらに促され、発達が強まります。凝結による潜熱によって温度は上昇して、気圧が下がり、さらに気流が収束します。このようなサイクルが繰り返される事により積乱雲は熱帯低気圧、やがて最大風速が17.2m/s以上の台風へと発達します。ただしこれら積乱雲の群れが台風へと発達するものは全体の数%と言われています。
台風は太平洋高気圧のふちを回るように西または北西方向に進み、その後は北上していきます。日本付近の上空では偏西風が吹いており、この流れに乗る事で台風は北東に進路を変え、速度を速めます。
By ルン
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