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台風でワクワク?

 不謹慎だとは思いつつ、台風が来るという天気予報を見ると、どこかワクワクした気持ちになるといった経験はありませんか?実はこれ、脳科学的に説明できる感情なのだそうです。「ワクワクする」という言葉は、通常は何かを楽しみにするときに使われていますが、脳科学的にみると、ワクワクしているときの心の状態は、これから起こる非日常なことへの予測が沸き起こり、脳がそれに応答している状態といえます。「楽しい」と「怖い・不安」は、真逆のように思われるかもしれませんが、脳にとってはどちらも「興奮状態」に相当するものです。「胸が高鳴る」「ドキドキする」などとも言い換えられるように、興奮して心臓が活発に拍動している状態です。この状態は、自律神経系が交感神経優位になることで起こります。交感神経が活発に働くときは、これからやらなければならないことに対して体が素早く応答できるように体が準備をしている状態で、心臓の「ドキドキ」を、脳が感知したときの心の状態が「ワクワク」なのです。つまり、「ワクワク」は、これから起こることに対して、体と心が準備しようとしている反応ということです。ですから、台風が来る?となったときに、ドキドキ、ワクワクが起こるのは脳のしくみとして自然なことなのです。
 その一方で、「不謹慎」という考えは、「理性」や「社会性」によって生み出されています。これを担っているのは、前頭前野という脳の場所です。ドキドキやワクワクが起きたとしても、「冷静に対応しなければ」と感情を抑え込んだり「被害を受けた人のことを気遣うべきだ」と配慮をするのは、無意識のうちに起こる生理的な反応とは別の脳のしくみなのです。台風がどれほど危険なものかを理解して適切な行動ができるようになるには、経験と学習が必要です。大人でも、被害を受けたことがなく、実体験を伴わない知識としてしか台風の怖さを知らなければ、ワクワクするという感情が沸くこともあるでしょう。興奮状態になるのも、それを不謹慎だと考えるのも、どちらも正しい脳の働きなのです。
by chirune
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