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呼吸は、健康のバロメーター!

 新年あけましておめでとうございます。旧年中は、たいへんお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。今回のお題は、呼吸についてです。当たり前のように身体に空気の出し入れをしていますが、かなり複雑怪奇な生理活動で、たいへん奥が深く、難しいです。今回は、脳の側面から見た呼吸について確認していきたいと思います。
 呼吸は、無意識に行う「代謝性呼吸」、意識的に行う「随意呼吸」、心の動きに伴う「情動性呼吸」の3種類に脳の作用部位によって分けることができます。
 代謝性呼吸の中枢は、循環中枢など生存に必要な機能を担う、脳幹の延髄で、「生体の恒常性(ホメオスタシス)」の一つです。エネルギー代謝のために、体内の酸素と二酸化炭素のバランスを調整し、呼吸の強さやリズムの指令を出しています。
 随意呼吸は、発声、深呼吸、息を止めるなど、意識的に行える呼吸で、大脳皮質運動野から指令が出ています。随意呼吸が優位になると、代謝性呼吸は一時的に抑制されます。そして、大声で歌ったり、しゃべったりした後に息が荒くなるのは、代謝性呼吸の抑制が解除されて、体内に必要な酸素と二酸化炭素のバランスの調整に入るためです。
 3つ目の情動性呼吸は、喜怒哀楽の感情と呼吸は密接な関係があり、特にネガティブな情動である「不安」によって、呼吸数や深さが変化します。情動性呼吸の中枢は、感情をつくりだす第一次中枢の大脳辺縁系の中の扁桃体に存在してしているので、感情の変化に伴って呼吸が変化し、呼吸の変化に伴って感情も変化すると考えられています。
 情動性呼吸は、心理的な変化で呼吸が変わることを、「予期不安実験」で確認されています。最初に各被験者が生来持っている不安度(特性不安度)を見極める心理学的手法による問診を行い、点数の低い人は不安度が低く、点数が高いと不安度が高いことを確認した後に、被験者の指先に電気ショック用の電極を装着し、2分以内に電気ショックがくると伝えます。被験者は、いつショックがくるのかと不安になる「予期不安」を感じているわけで、その程度を不安度、呼吸数、脳波から測定します。その結果、特性不安度が高い人ほど呼吸数の増加が激しく、特性不安度の低い人は呼吸数の変化は小さいという、特性不安度と呼吸数の間に正の相関が確認されています。だから、不安や心配事がある時は、意識して深く、大きく呼吸していただくことで、軽減されるので取り組んでみてくださいね。
by ドクトル・ノブ
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