コラム

COLUMN

内転筋

 内転筋は、大腿の内側に6種類のの筋肉で構成されています。骨盤(坐骨、恥骨)から大腿部の内側に付いている筋肉なので、この筋肉の働きが骨盤を安定させて、内蔵の位置を正しくしたり、内臓の働きを促進する作用もあります。基本的に筋肉の形態は、張力の特性を反映するため筋肉の機能と関係が深く、内転筋群のそれぞれが、内転の役割を担うだけでなく、個々にも機能があります。例えば、内転筋最大の筋肉である大内転筋は、股関節の屈曲だけでなく、伸展にも関わる特殊な筋肉です。また、長内転筋も股関節の角度によって全く逆の作用を担ったり、二重神経支配の筋肉として恥骨筋や内転筋の中で唯一、二関節筋となる薄筋も特殊な作用をする筋肉です。
 大内転筋は、大腿四頭筋や大殿筋に次ぐ大きさを有する扇形の筋ですが、その大きさに反して大内転筋を含む股関節内転筋群の機能や役割は、はっきりと分かっていません。一部の解剖学参考書では、内転筋の動作が股関節内旋として記載されていますが、他の解剖学参考書には股関節外旋作用が記載されていることがあります。歩行中の内転筋と運動学のEMG活動の分析は、外旋をサポートする機能を報告しています。つまり、荷重反応時に内転筋は、これまで報告されてきた内旋筋としての役割ではなく、股関節における大腿骨の内旋を偏心的に制御していると考えられるようになっています。
 大腿部の筋肉の中でも、相当大きな筋肉で、内転に作用する筋肉として捉えられてきましたが、その役割は徐々に解明されています。例えば、大内転筋の股関節伸展モーメントアームの長さは、股関節の角度によって変化し、股関節を曲げたときにはハムストリングスや大殿筋よりも効果的な股関節伸筋ということも確認されています。他の内転筋も解剖の参考書に載っている作用以上のことが、分かってきています。ますます働きを落さないようにすることが大事な筋肉と言えます。
by 自奇留
にほんブログ村 健康ブログへ
クリックしていただくと順位が確認できます。

コラム一覧へ

人気の投稿

最近の投稿

アーカイブ

CONTACT

お問い合わせ・ご予約はお気軽にどうぞ

お問い合わせフォーム

06-6645-5885

上部へスクロール