コラム

COLUMN

大寒(だいかん)

 太陽の動きや高さに基づいて、1年を約15日ごとに24等分した二十四節気のひとつの「大寒」は、その名のとおり、冬の寒い時期にあたります。そして、この時期には、冬の伝統行事が行われたり、その時期に合った食べ物を食べたりといった習慣がありました。大寒は、1年で最も冷え込むと言われており、日付は毎年ばらつきがあり、1月19日~21日のなかの1日が大寒となります。2025年においては、1月20日が大寒に該当する日ですが、大寒期(大寒の期間)は、1月20日~2月2日です。
 大寒の時期には、昔から寒さを乗り越えるため、もしくは季節の移り変わりを楽しむため、さまざまな行事や風習が存在してきました。特に、この寒さがもたらす季節特有の食材を使用して作られる料理や、寒さを活かした行事は、人々にとって冬の楽しみや身体の鍛錬の一つとして受け継がれてきました。
 例えば、厳しい寒さの中で稽古を行う「寒稽古」は、大寒の早朝や夜間に、武道、スポーツ、音楽などの稽古を行います。寒さを極力活用した訓練を通じて、心身の強化や精神の鍛練を追求します。稽古を通し寒さを乗り越えることで、自身の限界を知り、それを超える力が身につくとされます。このような稽古法は、「寒行」や「寒修行」とも呼ばれ、心の浄化や自我の克服を目的としています。
 また、「大寒卵」は、大寒の当日に鶏が産んだ卵は、縁起が良いとされ、なおかつ栄養価も高いといわれています。昔の日本では、冬の寒さの中で鶏が卵を産むことは稀で、それゆえに大寒の時期に産まれた卵は特別な価値を持つとされました。更に、卵の黄身の黄色が濃くなることから金運の願いも込められています。冬の寒さを乗り越える鶏は、寒さに耐え抜くために多くの餌を食べ、少ない水分で生活します。この生活環境が、卵に豊富な栄養をもたらすとされていて、大寒卵を食すことが健康にも繋がると言われていました。日本でも古くから伝統行事として親しまれてきた大寒は、厳しい寒さの中で伝えられてきた行事や食べ物には、それぞれに納得の理由があったようです。
by 太久籠
にほんブログ村 地域生活(街) 関西ブログへ
クリックしていただくと順位が確認できます。

コラム一覧へ

人気の投稿

最近の投稿

アーカイブ

CONTACT

お問い合わせ・ご予約はお気軽にどうぞ

お問い合わせフォーム

06-6645-5885

上部へスクロール