「味がしないから苦手」と水だけでなく、味のない飲み物を飲まない子供が増えていることが、話題になっています。暑い日が続いている状況では、体は中にこもった熱を外に逃がすために、毛細血管を広げ、体内の熱を血流に乗せて皮膚の表面に集めて熱を外気に逃がそうとします。体内の熱を外に移動させるためには血液の流れが重要なので、血液の流れをスムーズにするためには水分摂取が必要です。熱中症の予防としては、10代の子どもの場合、暑い環境で通常30分毎に240ml程度の水を補充するのが望ましいと言われています。
しかし、子どもたちは、通常の無味無臭の水を与えられた場合よりも、フレーバーを加えた水を与えられると、子どもが摂る水分量は増え、特にグレープフルーツ味がもっとも効果が高く、味のない水と比べて飲む量が44%増えました。さらに、甘いスポーツ飲料を与えられた場合、飲む量は通常の水と比べて91%増えていました。子どもたちは普通の水よりも、飲み物にフレーバーが添加されていたり、甘い味がついている飲み物の方が良く飲むことが確認されています。
ただ、フルーツ飲料や甘いお茶、糖分を含むソーダは、肥満発症に大きく寄与しているだけでなく、これらの飲み物を摂取することで主要栄養素(カルシウムなど)の摂取量が下がることも指摘されています。暑い時期に甘い飲み物で水分を補おうとすると、過剰な糖分を摂取することになるので、欧州小児消化器学会やアメリカ小児科学会は、乳児や小児、青少年は、スポーツドリンクや甘味料を含む飲料を日常的に摂取しないようにと注意喚起しています。
更に、ゼロカロリー飲料は、砂糖が入ってないので良いように思われるかもしれませんが、これらの飲み物は潜在的に甘いものを好む嗜好ができ易くなります。だから、肥満のリスクの軽減に繋がらないので世界保健機関のガイドラインでも人口甘味料の利用は推奨されていません。熱中症予防に限らず、代謝が盛んな子どもは多くの水分補給が必要で、普通に水、麦茶などをちゃんと飲めるようにすることが将来の健康を守ることに繋がります。
by 珍香鈴
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