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小手先トレーニングはダメ⁉

 「小手先」という言葉の語源をご存知でしょうか?小手先芸とは、手の先で軽く片付けられる技能を指し、ある種ダメな例として取り上げられますが、日本刀の「小手(肘と手の間)」の先で細かい動きをする技術に由来するようです。解剖学的に言えば、「前腕」がこれに該当しますね。
 私自身はヨガや格闘技系の有酸素運動を定期的に行っているのですが、前腕の意識が強いと確かにうまく力が入らなかったり、逆に力み過ぎてしまう、あるいはバランスを崩しやすくなってしまう実感があります。これは下半身(膝から足の意識が強い)の場合でも同様です。前鋸筋などは腕を前に出すことが多いボクサーは特に発達しているため、”ボクサー筋”としてご存知の方も多いかもしれませんね。では「前腕」の対に当たる部位はどこかというと肘から肩までの「上腕」となり、ここに意識を持ってくると、より効率的かつダイナミックな動作が可能になります。なお、この時は肩甲骨周辺、特に身体の背面に位置する筋肉が十分に働く必要があり、例として前鋸筋や広背筋、菱形筋などがあります。
 ところが、例えばラットプルダウンやシーテッドロウ、さらにはベンチプレスのようなトレーニングでは、三角筋や上腕二頭筋、僧帽筋などに負担がかかりすぎてしまうことがよくあります。もちろん、すべての筋肉には役割がありどれも欠かせないのですが、過剰に働くとコリや痛み、さらには故障などにつながる危険性もあります。このため腕を動かすトレーニングの際はなるべく「上腕」から、さらに言えば身体の中心に近い位置の筋肉から動かす意識が大切です。そのためのコツは動作中に肩甲骨を下げ続ける(肩と耳の距離を遠ざけ続ける)ことですので、ぜひ今後心がけてみてください。
 それにしても、今ほどスポーツ科学や解剖学の解明も進んでいない時代から、体感的にこのようなことを理解していたのだとすると、先人たちの感性やそれを表現する日本語の奥深さには改めて感心させられます。
by A.I
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