日本人は1日のうちで座って過ごす時間が世界でもっとも長いと言われています。座っている時間が長くなって筋肉がほとんど活動していない時は、筋肉の働きは悪くなり、だんだん筋肉量も減少していきます。そうなると食事中のたんぱく質(アミノ酸)の吸収も悪くなり、新しくたんぱく質を作る能力も低下していきます。
カナダのトロント大学の研究で「座り続けるのを30分ごとに止めて、ちょっとした運動を行うことで、筋肉の量と質を維持する助けになりそうだ」と報告されています。長時間にわたる座位での仕事を、短時間の運動で定期的に中断することで、筋肉の代謝も良くなるのではないか、と研究チームは考えました。筋肉は、アミノ酸が集まったたんぱく質でできているので、筋肉の代謝が良くなれば、アミノ酸の代謝も高まり、傷ついたタンパク質を修復し古くなったタンパク質を置換する効率も高くなるだろうと考えました。そして、12名の被験者に、7時間座り続けてもらいました。1回目はなにもせずに座り続けてもらい、2回目は、30分ごとに立ち上がり2分間程度の短いウォーキング、または15回のスクワットを行いました。条件を変えて座り続けたときのアミノ酸代謝を測定した結果、何もしないで座り続けた状態では、アミノ酸代謝は悪くなっていましたが、30分に一度のウォーキングまたはスクワットをした時は、アミノ酸の代謝効率が高まり、より多くのたんぱく質が合成され、筋肉の修復と置換のプロセスが促進されることが明らかになりました。
この結果は、長時間の座りっぱなしを中断し、少しでも身体を動かすことで、たんぱく質が少ない食事からでも、より多くのアミノ酸を効率的に吸収することができるようになることが確認されました。反対にいくらたんぱく質豊富な良い食事を摂っていても長時間座り続けると、身体に栄養は行き届かずに身体は衰えていく一方といえます。
身体を動かすことが大切だと改めて感じさせられ、身体を動かすことを強く勧めたいと思いました。
by コオロギ
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