手の洗いすぎや、消毒のしすぎによって、「逆効果になる可能性がある」ということをご存知でしょうか。人には、外部から侵入しようとする身体を害する細菌などから、身体を守る機能が備わっています。手のひらなど皮膚の表面には常在菌と呼ばれる菌が存在し、それらの働きによって身体を害する菌などの増殖や侵入を防いでいます。手洗い、消毒するということは、病原体を排除して防ぐ効果がある一方、過度な石けんの使用や消毒は、皮膚に存在する常在菌にとっては大きなダメージとなり、我々の身体を害するようなウイルスや細菌の侵入から身体を守ってくれるバリアを壊してしまうのです。
　常在菌とは、自分のからだの内側と外側に元々存在する細菌等の微生物の総称です。本来、人の身体の内も外も微生物だらけであり、人はそれらの微生物と共存している生物なのです。そして、それらの微生物が人の健康に大きく関わっています。たとえば、自分のからだを守るのが免疫の働きですが、この免疫のシステムは、自分の身のまわりの微生物とコミュニケーションをとりながら日々成長しています。その微生物を排除し過ぎることは、自分のバリア機能をみずから下げていることにもつながるのです。だから、ちょっとした軽い感染や新規の感染症に対しても抵抗できないで病気になってしまうのです。
だからといって、手洗いを否定しているわけではありません。以下の場面では手を洗うように心がけましょう。
1. 外出から帰ったあと
2. 調理の前後
3. 食事の前
4. トイレのあと
5. 掃除、ゴミ出しの後
手洗いは大切ですが、過度な消毒や洗い過ぎは禁物です。水道水で流しながら、まんべんなく両手をこすり合せせるだけで充分です。適切な手洗いを心がけ、元気で健やかに過ごしたいですね。
by chirune

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