マサチューセッツ大学医学部の研究チームが、メジャーリーグベースボール(MLB)の19チームを対象に、その勝敗とスコア、時差旅行の有無、その方向についての関連の調査を3シーズンに渡って行いました。ちなみにMLBがある北米地域は、4つのタイムゾーンに分かれ、太平洋時間帯と東部時間帯では3時間の時差があります。
その結果、ホームチームの勝率は平均して55.9％でしたが、相手チームが直前に西向きの時差旅行をしていた場合、ホームチームの勝率は56.2％と、平均を少し上回る程度ですが、相手が東向きの時差旅行をしていた場合、勝率が62.9％まで上がる結果が出ています。相手チームの側に立つと、西向きの時差旅行直後のほうが成績が良いことになります。この理由は、体内時計は時刻の進み方が“遅れる”ほうが体になじみやすいようです。
　例えば、8時間の時差がある東向き、西向き飛行をしたとすると、今が午前11時だとして、東向き地域への飛行なら8時間後の午後7時で、西向き飛行なら8時間前の午前3時になります。東向き飛行では、これから活動したい時間に夜になってしまいますが、西向き飛行ならいつもより我慢して起きて活動し、その後は眠りにつきやすいと言えます。つまり東向き地域へは体内時計を前へ、西は後ろにずらすことになるので、この場合時差修正は西向きの方がしやすいことになります。
　また、海外出張に行く時に数日程度の短期間であれば、現地での光をあまり浴びないようにして、体内時計は日本時刻のままにしておくと良いですが、数週間に渡るような長期の出張なら、現地での光(太陽光)をしっかり浴びて、早く現地の環境にあった体内時計にしたほうが良いようです。
基本的に、体内時計は前にも後ろにも1日1時間くらいしか動かせないので、日本にいる時に、出張先の地域に合わせて毎日少しずつ早起き、もしくは夜更かしして、事前にずらしておくというのも一案のようです。
by　ボヤッキー

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