湿度が大きく影響する「梅雨型熱中症」が、増えているようです。消防庁の統計によると、2023年夏の熱中症搬送者は、気温25~35度、湿度50~80%の範囲で多かったことが確認されています。熱中症のリスクを示す「暑さ指数」は気温や日差しの強さに加え、湿度も考慮して算出されます。暑さ指数の推定図では、室温が26度でも湿度85%で熱中症の「警戒領域」になっています。梅雨時の湿度は80%前後とされ、気温が低くても熱中症になるリスクは十分あるようです。
梅雨型熱中症の主な要因として、①隠れ脱水②汗が蒸発しにくい③体が暑さに慣れていない等の三つが考えられます。「かくれ脱水」とは、自分でも気付かないうちに脱水症状に陥る一歩手前の状態で梅雨時は喉の渇きを感じにくいので、夏場のように早めの水分摂取を意識しないといけないようです。また、梅雨に洗濯物が乾きにくいのと同じで、汗が蒸発しにくく、体温も下がり難くなります。そして、人間の体には、暑さに慣れるため皮膚の血流を増やして汗をかきやすくする「暑熱順化」という働きがあります。しかし、暑熱順化には数日~2週間ほどかかるので、梅雨時は涼しい日もあり、暑熱順化が追い付かない場合が多くなってしまいます。 予防のポイントは、汗がにじむくらいの運動や入浴を続けて、早めに体温調節機能を獲得することが大切です。また、夏場と同様に水分摂取を心掛け、水分保持に重要な筋肉を強化することも合わせて取り組みたいですね。更に食事管理も大事で、バランス良く、食べ過ぎないようにすることで、体温コントロールがスムーズになります。今から準備すると真夏の熱中症も心配いらなくなります。ジメジメと鬱陶しい季節ですが、快適に過ごすためにも身体を動かすことが重要です。
by ベクトル
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