人は必ずいつかは亡くなる定めですが、死亡原因は多様です。そして、その動向は社会の実情を映す鏡でもあると言えます。厚生労働省の調査「人口動態統計」の公開データから、日本の死因別死亡率の変化を確認すると厚生労働省の規定では「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いる」とあり、特定の死因には該当し難い「老衰が上位になっています。
戦後の動向に限って見返すと、終戦直後は「結核」が戦前同様に1位にあったものの、医療技術の発展、予防策の浸透などで大幅に減少していて、「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患」「肺炎」など、高齢化と連動して発生しやすい疾患が増加しています。
「悪性新生物」の上昇傾に関しては、「他の死因リスクが減った」「がんに発症、亡くなりやすい高齢者の総人口比が増加している」のが原因と考えられます。戦前と戦後の動向を見比べ、公衆衛生や医療技術の進歩でいくつもの疾患による死亡事例を減らせることができた事実、そして特に戦後に入って増加を見せる死因(「がん」「肺炎」)が、高齢化によるものであることを否定できないと思います。
近年上位に位置する老衰ですが、戦前の方がむしろ老衰による死亡率は高かったのは、平均寿命が短かったからです。「悪性新生物」や「心疾患」を発症し、直接起因として亡くなるより前に、老衰で亡くなってしまう人が多数いたということ、さらに当時の医療技術では具体的な病症の判断ができず、老衰とされた事例もあったものと思われます。
再び上昇している老衰ですが、こちらは急激な高齢化に伴うものですが、今後「悪性新生物」などの治療法の開発が進めば、この値はさらに増加していくと思われます。
by 自奇留
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