私たちの身体は、生理的には20代半ばをピークに、どんどんと衰えていきます。さらに、加齢と筋肉の衰えはともに基礎代謝の低下につながるためカラダに脂肪がつきやすくなり、身体への負担も増すことでいっそう疲れやすいカラダになってしまいます。
そして、疲れを感じると運動すること、トレーニングを避けるようになり、筋肉が衰え、もっと疲れやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。デスクワークや在宅勤務などが増え、ただでさえ運動不足になりがちな現代人にとって、この“カラダの疲労グセ”から抜け出すことがとても大切です。
今2人に1人(40~74 歳の男性)がメタボリックシンドロームの状態にあると言われています。食べ過ぎが原因と考えがちですが、実は、今の20歳以上の男女の平均摂取エネルギーは約1,800kcalで、終戦の翌年に日本人が食べていた量よりも下回っているのです。つまり、メタボは、食べ過ぎで起こっているわけではなく、現代人の筋肉が衰えて消費量が減っていることが原因と言えます。筋肉は、最も大量に脂肪と糖質を燃やす「臓器」で、炭水化物の90%は、筋肉と脳で消費されるようになっています。したがって、筋肉が衰えると、その分代謝が落ちて脂肪が溜まりやすくなるのです。筋肉の衰えによって脂肪があまりにも多くなると、高血圧、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化、脳梗塞などの病気が発生するリスクも高まります。脂肪が増えないように筋肉を維持することは非常に大事で、筋肉の働きを低下させないことは様々な病気を予防する手段にもなるのです。
「疲れやすくなった」「疲れが残る」と感じたら、それは筋肉の衰えの信号の可能性が高いです。“カラダの疲労グセ”を防ぎ、病気知らずのカラダで日々をいきいきと過ごすためにも、忙しい現代人には効率的に筋肉を鍛えられるトレーニングが必要です。
by ドクトル・ノブ
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