「秋ナスは嫁に食わすな」という諺があります。この意味は諸説ありますが、「美味しいナスを嫁に食べさせるのはもったいない」という、読んだままの解釈が最もポピュラーなのですが、違う解釈も多いようです。
秋ナスは、朝晩の寒暖差が大きくなる9~10月頃に収穫でき、夏のナスよりもやわらかく、みずみずしい美味しさが特徴です。ナスは5~10月頃まで市場に流通します。シーズンが長いのは、種類が豊富で、地域ごとの伝統的な品種も多いためです。水分が多く含まれ、100gあたりエネルギーは22kcalと少なく、さらにカリウムが100gあたり220mg、食物繊維が2.2gで、いずれも多いというレベルではありません。栄養的なメリットとしては、水分が多いので無理なく体の熱を放出できることだと思います。これはナスに限らず多くの夏野菜に共通する特徴といえるでしょう。
諺の本当の意味は?
鎌倉時代の和歌集『夫木和歌抄』に、「秋茄子はささの糟に漬け混ぜて 嫁には呉れじ棚に置くとも」という歌があります。この「ささの糟」は酒粕のことで、「酒粕に漬けて美味しくなるまで待つのはよいけれど、嫁に食べられないように気をつけなさいよ」という歌であると言われています。このことから、姑が意地悪で「美味しいナスを嫁に食べさせるのはもったいない」と考える説。
一方、この歌の「よめ」は「嫁」ではなく「夜目」すなわち「ネズミ」のことを指すという解釈もあります。「酒粕に漬けて美味しくなるまで待つのはよいけれど、ネズミに食べられないように気をつけなさいよ」という説。
また、別の解釈では、涼しくなった秋に体を冷やすナスを食べると、ますます体が冷えてしまうので、嫁に食べさせてはいけないという意味であると考える説。お嫁さんの体を心配して「美味しいけれど、食べない方がいいよ」と優しい姑が諭した、嫁を気遣う優しさであるという説もあります。
いずれにせよ、美味しくても食べ過ぎは身体に負担がかかりますので気を付けましょうね。
by chirune
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