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筋肉の役割 その2

 筋肉は、身体の臓器や機能に大きく関わっています。例えば、呼吸は、肺の働きによるものと思っておられる方がほとんどですが、肺だけでは呼吸はできないのです。呼吸するための筋肉の働きがなくては、呼吸はできません。横隔膜や肋間筋を始め、胸筋や背筋も呼吸に大きく関わっています。身体が衰弱して、人工呼吸器を装着することになるのは筋の働きが低下し、自身で呼吸できなくなるからです。
 また、最近便秘になる方が増えています。確かに、食生活にも問題があると思いますが、一番の原因は、股関節等の筋肉の働きが悪くなっているために大腸の蠕動運動や腹腔圧を安定させるようなサポートができなくなっているためです。そして、何より内臓の働きを筋肉がサポートすることによって、正常な内臓の活動が保たれていることは意外と知られていません。血液の循環も心臓や血管の働きだけでなく筋肉の働きなしでは、成立しないのと同様に筋肉の働きは、我々が正常な生命活動を行う上では不可欠な存在です。
 テレビなどで筋肉の発達した人が、馬鹿な取り扱いが多いことで誤解している人も多いと思いますが、筋肉の発達している人と言うと、頭が良くないというイメージになっていることです。とんでもない勘違いで、筋肉は神経、脳と非常に強く、大きなつながりがあるので、脳の働きのためには筋肉は、無視できないのです。例えば、ボケ防止には、折り紙をさせるような手指を動かす筋肉を働かせることで、脳の活性化を図ります。人の脳の発達は、この手指の働きが向上した結果と言っている脳の専門家も多いです。また、哲学者のアリストテレスや、西田幾多郎は、思考の際は必ず歩いて行ったようです。ある学習塾や、学校では、記憶させる時には、動きに合わせて行います。これなども、脳と筋肉との関係を知った上での取り組みです。
 一流アスリートの会見ではたいへん論理的なコメントが多く、とても運動ばかりやっていた人とは、思えないような発言に感心させられ、本当に頭の良いのだと思います。自分の思うような動きができるということは、脳と筋肉の連絡がしっかりできているということです。つまり脳がしっかり働き、活性化されているという状態です。世間では、脳を活性化させるゲームやパズル等が流行っていますが、より活性化させるには、運動つまり筋肉を働かせることが一番です。
by 筋知良
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