筋肉は骨や関節を固定したり、動かしたりするために活動します。筋肉は、基本的に収縮しかしませんが、その筋収縮は関節運動の伴わない静的収縮と関節運動を伴う動的収縮に分けることができます。そして、収縮様式による筋収縮の分類として下記の収縮があります。
等尺性収縮(isometric contraction)
筋肉の両端が固定され,筋肉の長さが変化しない(関節の動きを伴わない)場合の筋肉の収縮様式(静的収縮)を等尺性収縮と言います。
例:体幹の筋力トレーニングのプランクを行っているときのお腹の筋肉(腹直筋)などの収縮様式も筋肉の長さが変化しない等尺性収縮と言えます。
短縮性(求心性)収縮(concentric contraction)
筋の長さが短縮し,その両端が近づく収縮様式(動的収縮)を短縮性収縮と言います。
例:ダンベルを持ち上げるときの腕の筋肉(上腕二頭筋)の収縮は、力を発揮するために短縮しているため求心性収縮と言えます。
伸張性(遠心性)収縮(eccentric contraction)
筋肉の長さが伸張し,筋肉の両端が離れるような収縮様式(動的収縮)を伸張性収縮と言います。 例:肘を曲げてダンベルをもち,ゆっくりとおろす動作での腕の筋肉(上腕二頭筋)の収縮は、筋肉が引き延ばされながら力を発揮するため遠心性収縮と言えます。
また、運動様式による分類として下記のモノがあります。
等張性収縮
筋肉の発生する張力が一定であるような関節運動時の筋収縮(動的収縮)を等張性収縮と言います。
例:トレーニングマシンなどの滑車につながれた錘を引くような運動を等張性運動と言っています。しかし、持ち上げるときの筋肉にかかる負荷は、関節の曲げ具合や重力などに影響を受けるため一定とは言えないので、厳密な等張性収縮はあり得ないと考えられます。
等速性収縮
筋肉の収縮速度が一定となるような関節運動時の筋収縮(動的収縮)を等速性収縮と言います。
例:関節を動かすとき「等しい速度」での筋肉の収縮と言っていますが、等速性収縮の能力を評価するためには、特別な機器が必要になります。しかし、等速性運動中は関節の角速度は一定ですが、筋が等速性収縮をしているわけではないので、等速性収縮も現実的なモノではないと思われます。
by 筋知良
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