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翼状肩甲

 翼状肩甲(よくじょうけんこう)、翼状肩甲骨という言葉を普段聞くことは少ないと思います。翼状肩甲とは、背中にある肩甲骨の内側が浮き上がって、天使の羽根や折り畳んだ鳥の羽根のように見える状態のことを言います。肋骨から肩甲骨に繋がり、肩甲骨の動きに関わる「前鋸筋」の機能不全、前鋸筋を支配する「長胸神経」の麻痺により、翼状肩甲は起こります。
 「長胸神経の麻痺」は、テニスのサーブやゴルフスイングなどのスポーツ動作の繰り返しや産褥期の新生児との添い寝で腕を拳上した状態などにより⻑胸神経が伸張され麻痺を起こしたり、重いリュックを背負った際に、腕が下方に牽引され肩甲骨が胸郭に押し付けられたことにより、第2 肋骨の外側で⻑胸神経が圧迫され麻痺を起こすなどのケースが見られます。長胸神経が麻痺され、翼状肩甲になると、肩甲骨の周囲に痛みを感じたり、腕を前方に突き出しにくくなったりします。
 翼状肩甲は「原因となっている動作や肢位を避けさせると、平均9ヵ月で回復します。1年以上改善しない場合は手術が必要」というふうに日本整形外科学会では提案していますが、肩甲骨を動かす筋肉をバランス良く使ってあげたり、普段働きにくい部分もバランス良く動かしてあげることで一部に負担が集中しない姿勢になり、もっと早くかつ確実に改善させられると思います。分厚くなる教科書が原因で通学のリュックサックが重くなっていることが問題視されていますが、毎日の積み重ねにより、身体に支障をきたしてしまう可能性も考えられます。
 リュックサックの件だけに限りませんが、身体の痛みや障害は、普段の何気ない偏った使い方が原因であることがほとんどです。バランス良く身体を使うことができると痛みや障害だけでなく、血液循環の改善や自律神経が整うことで身体本来の生理的な作用を獲得することにも繋がります。
by コオロギ
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