肩のトラブルと言うと腕が上がらない、上げると痛みが出ると訴える方が多いと思います。四十肩、五十肩と言えば、聞き馴染みがあるのではないでしょうか。名前だけ見ると加齢によってなりそうな印象ですが、若年者にも症状が出る事が多くなっています。
まず、肩の関節の特徴ですが「球関節」という関節で様々な方向に大きく動くのが得意な関節です。その一方でやや安定性に欠けるという負の側面があります(脱臼する部位で肩が多いのはその為)。そして、大きく動く事、安定させる事共に貢献しているのが、肩甲骨や肩甲骨周辺の筋肉です。例えば、腕を上に挙げる動作(バンザイ等)はある一定の高さからは肩甲骨の上方回旋が起きて一緒に挙げる働きをサポートしています。この肩甲骨と肩(腕)の動きの関係を肩甲上腕リズムと言います。
前述した五十肩等で肩の不調を訴える方は、もれなくこの肩甲上腕リズムが正常に働いていません。そして、「安定」の部分ですが、肩甲骨から腕にかけて付着しているローテーターカフという筋群があります。ローテーターカフは、4つの筋肉の総称で、肩関節に上腕骨を引き付けて(求心性)肩のポジションを正常に保つ役割があります。このローテーターカフが適切に働く事により肩の脱臼を防いでくれたり、適切なポジションに保つ事で肩のスムーズな動きに繋がっています。
ただ、これらの肩甲骨や周辺の筋肉を使うのが難しくなってきています。元々、大胸筋や広背筋といった筋肉が硬くなると巻き肩になりやすいのに加えて、現代人はスマホ首と言われる様な頭が前に出る姿勢を作りやすくなっています。
という事はそもそものポジションが崩れてしまっている方も多いという事です。そして、下半身や腰の代償で肩甲骨が動かなくなってしまっているケースも多々あります。肩のトラブルがある方は肩甲骨やその周辺、もっと言うと腰や下半身にも目を向けてみると解決が早くなるかもしれませんよ。
by スクープ
クリックしていただくと順位が確認できます。
