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脊柱起立筋

 脊柱起立筋は、外側の筋群を腸肋筋、中間内側の筋群を最長筋、最内側の筋群を棘筋という三つの筋肉の総称で、骨盤や背骨から頭部まで付いていて、たいへん大きく、長い筋肉です。作用としては両側の脊柱起立筋が働くと腰を反る動作を行い、片側の脊柱起立筋が働いた場合は身体を傾ける作用がありますが、その名の通り背骨を立てる作用(姿勢を維持させる)が特徴的です。基本的には、寝ているときは脊柱起立筋は働いていることになるので、この筋肉が機能しないと「立てない」、「座れない」ということになります。
 立つや座るという動作を維持するだけでも身体には負担がかかっていて、脊柱起立筋は、それに耐えて、支えています。地球には、重力という力が常に我々にかかっていて、何気なく暮らしていても重力を受け続けています。つまり、立っている、座っているだけでも、常に使用している(負荷がかかっている)筋肉です。代表的な例では、宇宙飛行士が数カ月宇宙の無重力空間で生活して地球に戻ってきた際は立てないと言われています。それは無重力の中で生活していると重力に抗するだけの筋肉の働きをしていないことで、その機能や筋肉量を保てなくなるからです。
 地球上で暮らす私達は、日常で生活するだけでも筋肉を使い続け、負担をかけ続けています。抗重力筋と言われる脊柱起立筋は、重力に耐えるために常に働き続けている筋肉なのです。そのうえで、更に重い荷物を持ったり、歩いたり、階段を昇降したりと負担のかかる動作を日常で繰り返しているのです。当たり前の動作(立つや座る)でも負担がかかっている状況の中で、荷物を持つなどのプラスの負担が加わると筋肉に負担が蓄積され痛みが出ることは容易に想像できると思います。特に座る動作では、立っている姿勢より、腰の部分に負担が集中してしまうので、腰痛を起こし易くなります。脊柱起立筋の部分的な負担を減らすためにも座る時間を減らしてくださいね。
by 頃僕来
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