コラム

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膝関節

 膝関節は体の中の最大の関節で、全体重という大きな荷重に耐えているために「荷重関節」とも呼ばれます。大腿骨(太もも)と脛骨(すね)と膝蓋骨(おさら)の三つの骨で構成されます。脛骨の隣の腓骨(膝から下の外くるぶしの骨)は膝関節の構成には直接関わってはいません。
 膝関節は起立している人間の全体重を支えるだけでなく、跳んだり、走ったりするときに増大する大きな負荷に耐えるために、関節半月板や強力な靭帯や周辺の筋肉ががんばることになっているのです。膝関節を縦割りにし、横から見ると、関節頭に当たる大腿骨は凸面になっています。しかし、関節窩に当たる脛骨はほとんど平面に近く、凹面になっていないのです。これを補うために脛骨の上面には線維軟骨でできた半月板がのって、やっと浅い皿の体裁を整えており、そして脂肪の厚いパッドを入れた滑膜のひだも関節面の適合性を増す役に担う構造になってます。
 そして、その構造を安定させるために補強係の靭帯や腱が特に協力となっています。膝関節で特有なのは、関節内に前十字靱帯と後十字靭帯があり、大腿骨と脛骨の関節面を互いに引き寄せる働きをすることです。関節包の外部では、前面の膝外靭帯、内側および外側膝外靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などの強力な靭帯が包み込むように位置し、ことに膝関節背面の靭帯は、膝を伸ばしたときに特に意識して大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)に力を入れなくてもこれらの靭帯だけで起立位を維持することができるのです。膝関節は膝が伸びきった位置に近づくと靭帯などの脱臼防止装置が強く働いて、動きの融通が効かなくなります。しかし、膝を曲げると関節の両側にある側副靭帯が緩むために融通が効きだし、回旋(捻り)運動ができるようになります。回旋運動は、膝を曲げた状態から、膝を伸ばしていくときに最後の10度の範囲内で自然と5度の外旋がおこります。ですから、膝を伸ばして仰向けになったときに足は外側を向くはずです。しかし、極端に外側になり過ぎているときは、体の腰やひざに負担が大きくなっていると思われます。また、膝関節は他の関節と違い、動きの中に負担を軽減するという特徴(緩衝作用)が膝の障害の改善を困難にしています。ただ単にマッサージや整体、鍼灸の治療で改善されないのも上記の構造や機能によるものです。しかし、正しく動かしてあげると膝関節の障害は意外と簡単に改善されるものなのです。
 手術しかないと診断されたら、今一度動きを確認してみてください。うつ伏せになって、膝の曲げ伸ばしをして、歩いてる時ほど痛み無く動かせる場合は、手術しないで十分改善されると思います。
by ドクトル・ノブ
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