舌や頬の内側を噛んだ経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。頬を歯で噛んでしまうことを、専門的な言葉では「粘膜の咬傷」と言います。咬傷が起こると粘膜の傷や血豆のようなものができたり、噛んでしまった後が膨らみ、さらに噛みやすくなってしまったりします。しかし、大人になってから、急に頬の内側を噛みやすくなってしまったというような場合は、次のような原因が考えられます。
・奥歯に新しい被せものをした
・奥歯にブリッジを入れた
・噛み合わせの調整をした
特に頬の粘膜との距離が近い場合、しばらく歯の形がないほどボロボロだった後などに新しい被せものをすると、粘膜が対応することができずに噛みやすくなることがあります。さらに頬を噛まないように内側に作った被せものが、舌の側面を噛むようになることもあります。いずれもそれまで慣れていた口内環境の急激な変化に、粘膜が対応できない場合に起こります。
さらに噛みやすくなる傾向が強くなるケースとして
・歯ぎしりが多い
・親知らずが生えてきた
・体重増加による粘膜の厚さの増加
・ストレス
歯ぎしりがある場合には、歯ぎしり運動で発生する噛み合わせの力によって歯の移動が起こるため、長期間にわたって少しずつ、歯並び全体が外側に広がるように傾斜しやすくなります。つまり粘膜との間にある空間が少しずつ減っていくのです。また、歯ぎしりは急激な奥歯の噛み合わせ面の磨耗も引き起こします。歯ぎしりで急激に磨耗した歯は、切り立った鋭利な角で粘膜を軽く噛むだけでも出血するようになります。
他にも、左右の噛むバランスの乱れ(同じ方でばかり噛む)や、頚肩部の凝りや張りが原因で、噛み合わせの動きのリズムが乱れて、噛みやすくなっているケースもあります。この場合は左右の噛むバランスを意識的に整えたり、定期的に運動をすることで、身体の凝りや張りが軽減され、改善されるでしょう。また、体重減少による粘膜の厚さの減少も期待できますよ。
by chirune
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