我が国は、世界一と言われる薬消費大国ですが、薬の服用が原因と思われる病気が、多々報告されています。代表的なモノにスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)があります。その原因になっている薬が、抗生物質や解熱鎮痛消炎剤、総合感冒薬や降圧剤など身近な薬が挙げられています。初期症状としては、発熱・咽頭痛など風邪の症状に似ていますが、進行すると、紅斑や水疱などの皮膚症状が現れます。SJSもTENも重症多形滲出性紅斑と呼ばれる同じグループの病気で、びらんや水疱などの皮膚症状が全体表面積の10%未満のときにスティーブンス・ジョンソン症候群、10%以上の場合は中毒性表皮壊死症と診断されます。
実例では、ある男性が、夕方37.5ほどの熱があり、次の日には38~39度くらいまで上がったので、置き薬の風邪薬を服用しました。そして、病院に行って、診察してもらって、抗生物質と解熱剤を処方されました。置き薬に代えて、それを服用していました。熱は一向に下がらないまま、3日目の朝に腕に水疱ができていたので、病院に行きましたが、先生は原因が分からないということで、とりあえず抗生物質の点滴をし「明日も熱下がらなければ入院」と言われて帰宅しました。次の日になると腕のポツポツが増えていて、熱も下がらなかったので入院となりました。入院後も色々な検査をしましたが、その間も飲み薬と抗生物質の点滴を続けました。腕の発疹は、腕から全身に拡がって、口の中はただれ、眼の周りは腫れました。入院後、3日目にしてようやく「SJSではないか」ということで、ステロイド治療に踏み切ることになり、みるみる回復していき次の日には、喋れるようになったとのことです。身体を改善させよう服用した薬が、こんな苦しい思いをしたことで、薬の服用には十分注意が必要だと言っておられます。
薬がすべて悪いわけではなく、時として必要なこともあると思います。しかし、原因を確認しないで、すぐに薬で症状を抑えるというのは、絶対にすべきではありません。人には、自然治癒力という強い味方もあることをお忘れなく!
by 珍香鈴
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