血圧が高くなると、口をそろえて「塩分を控えめにしないと」と言われます。確かに塩分摂取すると運動と同様に一時的に血圧は高くなりますが、しばらくすると元に戻ります。だから、塩分が血圧を上げる原因になる科学的根拠はないと報告されています。過去に鹿児島と青森を調べた結果、1日の塩分摂取量が約14gの鹿児島の高血圧発症率が約20%であるのに対し、約28gの青森では40%近くとなっていることで「塩分の摂り過ぎが高血圧につながる」と結論付けていて、当時は塩分と高血圧を結びつける考察は画期的だったため、瞬く間に世界中に広まりました。また、米国の研究者が発表した「10匹のラットに毎日20~30gの食塩を摂取させたところ4匹が高血圧になった」という論文で決定づけられたようです。しかし、このラットに投与された量も、人間に換算すれば約500グラムに相当し、非現実的で極端な前提に立つため、結論づけるには疑問が残ります。
近年では、ロンドン大学が英国、日本など32か国、約1万人を対象に行なった大規模疫学調査「インターソルトスタディ」では、1日の塩分摂取量が約14g以上の人たちでも、塩分摂取と高血圧に相関関係が見られないという結果が出ていると発表しています。日本高血圧学会が推奨する『1日6g』はおろか、日本人が平均的に摂取する『1日10~12g』を上回る塩分でも、高血圧の原因にならないことを示唆する結果でした。また、厚労省の調査によると、山梨、青森、福島、福井など寒い地方の食塩摂取量が多いですが、高血圧疾患による男性の死亡率は、食塩摂取量が少ない都道府県の大阪、福岡、佐賀の方が高いことが確認されております。つまり、食塩摂取量が少ない都道府県でも高血圧で死亡する傾向があることから、塩分と高血圧に因果関係があるとは言い難いと報告されています。
また、正常血圧の男女82人を対象にして1日の塩分摂取量を9.2グラムから4グラムまで12週間にわたって減塩したところ、血圧値にほとんど変化のない人が53%、血圧が下がる人が30%、そして17%は逆に血圧が上昇したと報告しています。最も衝撃的なのは、米国の約20万人の生活調査で、塩分摂取量が最も少ないグループ(約4g)は脳卒中や心筋梗塞になりやすく、最も摂取量が多いグループ(約12g以上)の脳卒中・心筋梗塞の有病率が最も低かったと最も権威のある医学誌「ランセット」に発表しています。
厚生労働省も健康長寿に食塩の1日の摂取量を7gの目標を掲げていますが、上記のことを参考にした対策とは、思えません。摂り過ぎは良くないと思いますが、極端に減らすことも良くないと思います。
by スカラー
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