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誤嚥性肺炎

 先月29日夜に都内の自宅で嘔吐し、救急搬送された歌手の加山雄三(83)さんが軽度の「小脳出血」を起こしていたというニュースがありました。トレーニング後に水をがぶ飲みし、咳き込んだ事原因とされています。食道に流れるはずの食べ物や飲み物が気道に流れ込み(誤嚥)咳き込むなんて事は誰しもが経験あると思います。気管に食べ物などが入ってしまった場合、通常はむせる、咳をすることで気管から異物を排出する反射機能が働きます。
 誤嚥性肺炎とは、この機能が鈍ることで排出できなかった異物が肺に入ったままになってしまい、肺の中で炎症が起こることをいいます。加齢によって噛む力が弱くなったり、舌を動かす筋肉が衰えたり、食べ物を飲み込む嚥下機能が低下する高齢者に多く、年間4万人近くの方が命を落としています。
 高齢者、認知症や寝たきりの方などは口腔内の清潔が十分に保たれていないこともあり、口腔内に肺炎球菌などの肺炎を起こしてしまう細菌も多く増殖してしまい、これらの菌が誤嚥をした際に食べ物、唾液などと一緒に気道に入ることで肺の中で細菌が繁殖して炎症を起こし、誤嚥性肺炎が発症します。
 これら誤嚥を防ぐためにも咀嚼はとても大切です。「牛乳を噛んで飲む」と聞いた事がある方も多いと思います。咀嚼は単に食べ物を小さくするだけではありません。唾液を分泌したり、食べ物の大きさ質感などを認知し、嚥下を行う、消化器(胃、腸等)の消化液の分泌を促すように体内に飲食物を入れる準備の役割も担っています。加山雄三さんの様に水などを飲んでいる際に誤嚥を経験した方も多いと思います。
 そして、咀嚼が減ることで口や喉周りの筋肉や感覚の衰え、だ液の分泌減少が急速に進みます。普段からがぶ飲み、早食いなどしてしまいがちな方は気をつけたいですね。
by コオロギ
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